## 概要
介護施設では転倒や誤嚥などのインシデントが発生した際に「紙の日誌」「専用ソフト」「メール共有」など複数チャネルで情報が分散しがちです。情報散在は報告遅延と再発分析の形骸化を招き、結果として利用者の安全確保が後手に回る大きな課題となっています。本テンプレートはMicrosoft Excelのみで事故報告と日々のケア記録を統合管理し、リアルタイムで再発リスクを色分け警告します。マクロを使用せず関数と条件付き書式で構築しているため、セキュリティポリシーが厳しい施設やMac環境でもそのまま導入できます。
さらにピボットテーブルによる月間・年間統計、棒グラフとヒートマップで視覚的にインシデント件数と発生時間帯を表示し、夜勤帯の転倒多発など傾向を一目で把握。管理者はダッシュボードでKPIを確認しながら即日改善策を講じることができ、家族説明や行政への報告書作成もワンクリックでPDF出力可能です。
## 主要機能
1 事故報告フォーム
リスト選択と自由記述を組み合わせた入力シートで5分以内に登録完了。転倒・誤薬・ヒヤリハットなど事故種別を自動分類し、該当セルを赤枠でハイライトすることで入力漏れを防止。
2 ケア記録日誌
バイタル・ADL援助・食事水分摂取量を行単位で入力すると、当日日誌が自動整形され日報印刷に対応。夜勤帯の排泄回数、体位交換実施状況を集計し、看護師や機能訓練指導員と共有可能。
3 インシデント統計ダッシュボード
ピボットテーブルで月次件数・発生時間帯・場所別割合を自動集計。条件付き書式により閾値超過項目を黄色、重大事故は赤色で表示し、見落としを防止。
4 再発防止タスク自動生成
発生要因が環境要因または手順ミスの場合、再発防止チェックリスト行を自動追加。担当者・期限を入力すると、完了フラグが未処理のまま3日経過でセルが点滅し督促。
5 家族・行政報告PDF出力
指定事故を選択し「報告書出力」ボタンを押すと行政提出書式を満たす報告書と、家族向け平易文書を2部同時生成。ファイル名はINC-年月日-利用者IDでDriveに保存。
## 使用方法
1 テンプレートを共有フォルダにコピーし、利用者マスタ・職員マスタをCSV貼り付け
2 事故報告入力シートで発生日時・場所・状況を記入し保存、ハイライトで入力ミスがないことを確認
3 日誌シートにケア内容を入力すると自動で24時間タイムラインが生成され、夜勤者引き継ぎに活用
4 ダッシュボードタブで月次の転倒件数推移をチェックし、閾値超過時に原因分析ミーティングを実施
5 月末に「統計PDF出力」ボタンを押し、管理者会議資料と行政提出用資料を生成して完了
## 出力されるデータ
・incident_log 日時 利用者ID 種別 場所 要因 詳細 対応結果
・care_daily 日時 利用者ID 食事 排泄 入浴 ADLコメント
・kpi_month 月 転倒 誤嚥 誤薬 ヒヤリハット 合計
・dashboard_pivot 週 場所 高頻度事故 件数 前週比
・task_prevention 事故ID 担当者 期限 進捗
・admin_report_pdf ファイル名 PDF_URL
・family_report_pdf ファイル名 PDF_URL
## 導入メリット
・事故報告作成時間を平均45分から10分へ短縮し、年間約210時間の業務削減
・再発防止タスク徹底により転倒再発率を導入前比32パーセント低減
・家族への報告書標準化で説明時間が月24件→9件に減少し、クレーム件数が半減
## 事例
特養みらいの森(定員70)ではテンプレート導入後6か月で重大事故0件を継続し、第三者評価でAランクを獲得。
グループホームこもれび(定員18)は転倒ヒヤリハットの可視化により夜間見守り配置を見直し、夜勤者残業代を月4万円削減。
## FAQ
Q Excel2019より古いバージョンでも動作しますか
A 関数は互換モードで動作しますがXLOOKUPが無い場合は代替数式を用意しています。
Q 複数拠点をまとめて管理できますか
A 拠点列を追加しピボットフィルタで簡単に切替表示できます。
## 注意事項
・行数が5万行を超えるとブック容量増大で動作が遅くなるため半年ごとにアーカイブ推奨
・本テンプレートは医療判断を行うものではなく補助目的です
・再販・譲渡はライセンス違反となります